第14章 夏の終わりに。
顔が熱く、心臓はドキドキと音を立てる…。
これじゃまるで私、憂太君の事が好き、、、
ーーーーーだめだめ!!
私は頭をブンブンと振り、その場にしゃがみ込んだ。
暗くてよく見えないけど、平静を保つように花火を選ぶフリをする。
憂太君には将来を誓った人がいる。
その人が呪いに姿を変えても、憂太君がその人を心から大切に想っているのは側で見てれば分かる。
ーーーー私の出る幕はない。
そう自分に言い聞かせ、気持ちに蓋をした。
これで良い…
大事な人をつくれば後で辛い思いをするのは自分だ…。
短く息を吐き、適当に花火を選んでいると、
ピューーー!とロケット花火の音がした。
どうやら皆んなはロケット花火の打ち合いをしているようで、お互いの陣地に空き缶を並べ、そこにロケット花火を設置していた。
「と憂太もこっち来いよー!」
「は僕のチームね!」
「シャケ!」
五条先生と狗巻君がこっちこっちと手を振っている。
「うん、今行く!」