第14章 夏の終わりに。
すぐに五条先生や皆んなも駆け寄って来ると、驚いた事に外からはこの壁の中には誰も入れなかった。
「結界か…なるほどね。
術式を発動させ、結界を張った時に中にいたモノ以外の侵入は許さないって仕組みのようだね?
ホラ、僕でも入れないよ。」
五条先生は外から光に手を当てるも、それ以上中に入る事は出来ないようだった。
「つーか、コレ中からは出れんのかよ?」
「多分ね?憂太、出ておいで?」
「あ、はいっ、、」
憂太君はスッと壁を通り抜けると、難なく外側へと出る事が出来た。
おぉっ、と小さく歓声が上がる中、パンダ君が申し訳なさそうに謝ってきた。
「、すまなかったな。俺のせいで危ない思いさせて。」
私は首を振り、頬を緩めた。
「ううん。そのお陰で今まで使えなかった術式が使えたんだもん。
無意識だったけどね(笑)」
「じゃあ僕らが京都に行ってる間の課題が出来たね?
帰って来るまでに完成させといてよ。」
『う、、、頑張ります…。』
ヘラっと笑ってるけど、そのアイマスクの下の目は本気なんだろう…。
結局その後、憂太君と目を合わせる事は出来なかったけど、皆んなで平和に手持ち花火をして楽しんだ。
ーーーー私達の短い夏は終わりを迎えようとしていた。