第14章 夏の終わりに。
『わっ‼︎すごっ、、、綺麗、、、、‼︎』
あまりの美しさに目を輝かせた。
火花は白から黄色、そして緑へと色を変化させ辺りをキラキラと照らしている。
そこには早く来て準備をしてくれていたのか、憂太君と狗巻君、それに五条先生までいた。
噴き上がる火花の奥でにっこりと笑う憂太君と目が合った気がして、胸が僅かに跳ねた。
「ホラッ、!うちらも行くぞ?」
「そうだな!ほっといたら悟が全部に火、点けそうだし。」
『ふふっ、、そうだね。』
シュウゥ…と噴き上げ花火が鎮火すると、再び辺りが暗くなった。
けれどすでに手持ち花火を準備していた五条先生と狗巻君は、鎮火する寸前の花火からすでに火を点けていたようで、両手に持った花火からはシャーーーと色とりどりの火花が光り始めた。
「あー!2本持ちずるいゾ⁈
つーか悟っ!振り回して火花飛ばすな!
俺に穴空いたらマサミチに怒られるゾ!」
「何これ〜!火花がハートに見えるんだケド〜〜!ウケる〜〜♡超メルへ〜ン♡」
「ツナツナ‼︎」
花火セットのオマケで付いていたらしいサングラスを掛け、まるで子供のようにはしゃぐ2人はゲラゲラと笑いながら花火を振り回している。
そしてそんな2人から少し離れた所で、真希さんとパンダ君がそれぞれ手に持った筒状の花火に火をつけ、、、
着火したと同時、五条先生と狗巻君に向けてソレを発射した。
「8連発いくぞーー!」
ポーーンッ!ポーーンッ!と筒から鮮やかな火の玉が2人目掛けて飛んでいく。
「こっ、こんぶっ‼︎」
狗巻君が素早い身のこなしで躱す中、五条先生は無下限を発動している為花火は当たらない。
「悟ーー!術式解けーー!ずるいゾ!」
「ハハッ残念でしたー!解くワケないでしょーー?」
それから狗巻君と五条先生も同じ連発花火を手にすると、何故か2対2の打ち合い対決が始まった。