第14章 夏の終わりに。
「あれ?どこ行った?」
ぐるん、と木刀を回して肩に担いだ真希がパンダに声を掛ける。
「あぁ、皆んなのスポドリ買ってくるって。」
「あー?ジャンケンで負けてねーのに?」
「僕、ちょっと様子見てこよーか?」
真希の後ろでタオルで汗を拭いながら憂太が足を向けようとした時、
「おかか。」
棘が一言呟き、首を横に振った。
「え、、、?」
「そうだな…今は1人にした方が良いかもな。
、何か無理して笑ってるよーに見えてな。
少しそっとしといてやれ。」
「おい、憂太は何も話し、聞いてねーのかよ。一緒に住んでんだから相談ぐらいされてんじゃねーの?」
真希の鋭い視線に憂太はたじろぐが、自身も最近のの様子が気になっていた。
「さん…あの日から少し雰囲気が変わった、というか…
最初は親友を亡くしたから落ち込んでるんだと思ってたんだけど、、、壁を作ってる感じがして。
夜もほとんど部屋に篭ってるし、あまり踏み込んで欲しくないみたいに見えて…。」
「あぁ、確かに雰囲気は変わったかもな?」
「しゃけ。」
「悟は?何か言ってないのか?」
「それが、、」と急に顔を赤くし照れた様子の憂太を見て3人は眉を顰めた。
「・・心の壁を取っ払うにはまず身体の壁を、、とかよく分からない事を言ってさんが寝てるところに勝手に入って、、、平手打ちされてた…。」
「あいつマジでクズだな。」
「聞いた俺がバカだった。」
「明太子。」
あはは〜、と苦笑いを浮かべ、憂太は目を伏せた。
「・・・何か元気づけてあげれないかな…」
この一言に、パンダと棘は目を合わせると互いに小さく頷いた。