第2章 日常が壊れる日
いつもより遅く始まった朝のホームルームで、先生から昨日の事件の話があった。
先程耳にした話はどうやら事実らしく、2人の生徒は未だ行方不明。
警察の捜査も行われているようだった。
そして当面の間、課外活動や部活動は禁止になり、今日は急遽午前授業に変更になった。
その日の帰りーー
クラスメイトがカラオケに行こう〜だとか駅前のファミレスに行こうなどと盛り上がる中、私は鞄を持ちそそくさと教室を出た。
俯きながら足早に昇降口へと向かう。
早く校舎から出たいーーー。
いつもより重々しい空気を感じ、じんわりと嫌な汗が出る。
あかりちゃん、早く来てくれるといいんだけど…。
ガヤガヤと騒がしい昇降口で邪魔にならないよう隅であかりちゃんが降りて来るのを待つ事にした。
10分、15分と経ち、徐々に生徒がまばらになる。
遅いなぁ…。
あかりちゃんの靴はまだあるし、帰ってないはずだけど。。
こういう時、携帯があれば便利なんだろうけど残念ながら私は持っていない。
辺りは静かになり生徒の声もしなくなると、何だか少し胸がざわつき始めた。
朝もあんな事があったし、あかりちゃんに何かあったのかも…。
私はぎゅっと鞄を握りしめ、意を決すると再び階段を上がりあかりちゃんのクラスへと向かう事にした。