第12章 幻覚か現実か。
「気を失えば楽だったものを…。大事にしたく無かったが仕方ない。
これから君が目にするものは君が最も恐れているもの。そしてトラウマだ。
精神力にもよるがもって30秒だろう。
大抵20秒あたりで皆自死する。
さて、君は何秒持つかな…?」
男は不敵な笑みを浮かべ、私を見下ろした。
「じゃあ悪いが我々は先を急ぐ、なんせ死体は鮮度が大事だからね。
あぁ、それとこれ。首でも手首でも、好きに使え。」
ガシャンッ
男は私の足元にサバイバルナイフを投げるとパチンと指を鳴らした。
その瞬間、ぼんやりと霞がかっていた視界が一気に鮮明になった。
『こ、、、これは、、、、⁈』
ーーー私の目の前で皆んなが呪霊と戦っている。
地面から次々と這い出てくる呪霊、背後からは何メートルもある巨大な姿の呪霊も近づいている。
何十体と湧いてくる呪霊を前に、ついに狗巻君は口から大量の血を吐き倒れ、パンダ君は両腕を引きちぎられる。
・・・違う、、違う違うっ‼︎‼︎
これは現実じゃないーーーー‼︎‼︎
ーーーーー幻術、、、、
頭では分かっているのに、全身は恐怖で震え、歯はガチガチと音を立てる。