第2章 日常が壊れる日
『・・・そうだ、私来客用のスリッパ、借りてくるよ?』
「いーよ、自分で行く。てかもうすぐチャイム鳴るし、は先教室行きな?」
『・・・うん。』
なかなかこの場を離れない私を見て、あかりちゃんはフッと表情を緩めた。
「私は大丈夫だから。こんなの中学ん頃からお互い慣れっ子だろ?
あっ、そーだ!それより今日は私、デートの約束ないし一緒に帰ろーよ?」
あかりちゃんはいつもの明るい表情に戻るとポンッと私の背中を叩いた。
『うん、、分かった。・・じゃあまた放課後。』
「うんっ!じゃ早く教室行きなよー!」
手を振り廊下を走って行くあかりちゃんの背中を眺める。
あかりちゃんは見た目も性格もまるで私と正反対。
美人で大人っぽくスタイルの良いあかりちゃんは中学の頃からモテていた。
彼氏が途絶えた事はなく、本人曰く恋愛依存症というやつらしい。
その上性格は物をハッキリ言うタイプだから余計に女の子達からは反感をかってしまう事が昔から多かった。
私からしてみれば自分の気持ちを素直にハッキリと口に出せる姿はカッコ良いと思うし、裏表がない彼女は見ていてとても気持ちが良い。
そして唯一、一緒に居て居心地が良いと思える大切な友人だ。
帰り、どこか寄り道して甘いものでも食べに行ったらあかりちゃん元気になるかな…。
そんな事を考えながら自分の教室に入った。