第11章 再会
2階に着き、中庭へと出る扉を開けると開放的な庭園が広がっていた。
花壇には向日葵やマリーゴールドなど数種類の花が植えられていて、散歩をしている患者さんや、車椅子を引いて日向ぼっこをしている患者さんの目を楽しませている。
「座ろうか?」
私達は近くにあったベンチに腰を下ろした。
時折吹く風が気持ち良く、先程よりも気分は大分マシになった。
「そう言えば、まだ名前を聞いていなかったね?
私は夏油傑。君は?」
『・・・…』
「か、良い名前だね。
それにしてもまさか呪術高専に通ってるとはね、驚いたよ。」
『え?知ってるんですか…?』
「あぁ、よく知ってるよ。」
夏油さんは肩を竦めてフッと笑った。
憂太君も言っていたけど、やっぱり五条先生と夏油さんは知り合いなのかもしれない。
聞いてみようかと口を開きかけた時、
「君は本当に呪術師になりたいと思ってるのかな?
呪術師を続ければまた今日のように大事な友達や仲間の死を見る事になる。
常に死と隣り合わせなんだ、それに君は耐えられるのかい?」
ドクン、、心臓が嫌な音を立てる。
夏油さんの心の中を見透かすような視線に耐えられず、私は俯いた。
『ーーーそれは…分からないですけど、、私に少しでも力があるなら大事な人達を、助けたい…。』
「その大事な人、というのはロビーで君の事を待っている同級生達の事かな?」