第11章 再会
あかりちゃんと最期の対面を終えた私と早苗さんは静まり返った廊下で向き合った。
「私はまだ手続きがあるから。はさっきの子達、上で待たせてるんでしょ?」
『はい…。でも早苗さん、一人で大丈夫ですか?』
腫れた目をした早苗さんは目尻に皺を寄せてニコッと笑った。
「相変わらず、は優しいわね。
私は大丈夫よ、それに少し安心したわ。」
『え…?』
「に友達が出来たって分かって。皆んなあなたの事が心配で着いて来てくれたんでしょ?」
『・・・はい。みんな優しくて、沢山助けてもらってます…。』
口元を緩めると、早苗さんは嬉しそうに目を細めた。
「そう、なら良かった。いい?、辛いけど前を向いて頑張るのよ?」
『・・・はいっ』
震える声で返事をし、早苗さんと別れた。
エレベーターに乗り込み、1人になった瞬間、ガクッと膝から崩れ落ちた。
気を張りつめていたのが一気に抜け、膝に力が入らず手すりに縋り付きながら何とか立ち上がろうとしていると、
ガタン、
閉まりかけていた扉に手が差し込まれた。
「ーーー失礼。」
ドアが開くと、袈裟を身につけた男性が会釈をして入って来た。
この階には霊安室しかないし、お坊さんだろうか…。
顔を上げるとその人と視線が重なり、私は目を見開いた。