第9章 【呪術廻戦】0軸の短編(世界融合設定8)
このまま固まっていても仕方ないので、また黙ってしまった五条さんに見せつけるように欠伸をする。
「…あ、ごめん。もう寝るよね」
「はい。五条さんも遅くまでお疲れ様です。なので、今日はもう寝ましょう」
「……僕は、まだやることあるから」
「少しくらい寝た方が効率いいですよ」
だから、はい、さあ寝ましょう。
私はぽふぽふ…と今二人で座っているベッドの上を叩く。
「え、なに?」
「ここで、寝てください。軽く寝るなら、人がいて熟睡できない状況の方がいいでしょう」
なんとなく…今、五条さんを一人にしたくないと思った。
いらないお世話かもしれないけど、それでも。
普段は飄々としているこの人が落ち込んでいるような気がして、なんだか放っておけない。
「そんなこと言っていいの?僕も男だし、なにするかわかんないよ」
わざわざ忠告してきたけれど声の調子が軽い。
ぺらっぺらだ。やる気がまるでない。はいはい襲う気ゼロ。
やっぱりほっとこうかなぁー…。
女としてちょっと悲しくなりながらもいつも通りな彼の態度に安心もして、さらに五条さんを促すべく再びベッドを叩く。
すると五条さんは大げさに溜め息を吐いて、目隠しの包帯をするりと外す。
露わになった空のような瞳に、わかっていても見惚れてほうっ…と息がもれてしまう。
……なんて、綺麗……きらきらしてる…。
「こら夢主、こんな時になに見惚れてるの。ほんと危機感ないな」
「す、すみません…寝ましょうか?」
「……少しだけね」
「はい」
渋々といった様子で、それでもごろんと横になってくれた五条さん。
このベッドはロングサイズではないから、彼が足を伸ばすといっぱいいっぱいだ。やっぱりデカい。
それを見てから、私も少しだけ空けて隣へ寝転がる。
「どうしてそんなに離れるの?狭いんだし、もう少しこっち来なよ」
渋ったわりに、くっつくのはいいんですね。
どうしようか迷っていると、こちらに伸ばされた五条さんの長い腕が躊躇なく私の体に回り。
そのままグッと引き寄せられた結果、向かい合わせにすっぽりと五条さんの腕の中におさまってしまった。
……やばい。密着度がすごいこれ。