第6章 【呪術廻戦】ネタの続きでネタ4(世界融合設定6)
五条を振り返るまでの短い時間。走馬灯のごとく浮かんだ考えに覚悟を決めた夢主は、まるで透き通った空のような…煌めく水面のような美しい瞳と自分の目を合わせた。
「十秒、見ればいいんですね?」
これまでと違った様子の夢主に五条はおや…と意外そうに目を見張るが、すぐにそれは面白いものを見る目つきへと変わり口元には笑みを浮かべた。
「そうだね、十秒…あ、鼻血出すのはもちろん顔が赤くなってもダメだよ」
「えっ、赤くなるくらいは…いいんじゃ、ないかと…」
「えー、しょうがないなぁ。わかった。それでいいよ」
じゃあ十秒見続けられたら君の勝ち。ちょっとでも目を逸らしたら負けね。そんな五条の言葉に夢主はこくりと頷く。
……いや、いつから勝ち負けに?
浮かんだ突っ込みは五条のスタート!という声にかき消された。
五条の恐ろしく整った顔全体から意識を逸らし、ただ目の前にある綺麗な瞳にだけ焦点を当てる。
「……1……2…」
無駄に色気を含んだ声で五条がカウントをはじめる。
「……」
「……3…」
「……」
「……4…」
ちょっと数え方が遅い気もするがこれならイケる!夢主がそう確信したとき、不意に薄い肌色が視界の端に映った。
すぐにほどよい温かさが夢主の左頬を包む。ぼんやり見える肌色の先に繋がっているのは五条の体で…つまりはこの頬に触れているのは五条の手の温もり。
「…!?」
「……5…」
夢主の動揺などまるで気にしない、むしろ好都合とばかりに五条の動きは止まることを知らない。
親指の腹で夢主の唇に触れると、ゆっくりと輪郭をなぞっていく。
「…っ……」
「…‥6…」
ふに…と柔らかさを確かめながら指先を口の中へ押し入れるような仕草に、背筋がぞくりと震える。
体温はさきほどから上がりっぱなしで、胸も不整脈かというほどに鼓動が激しい。
その間にも目はお互い見つめ合ったままで、やり取りだけを見れば恋人同士のそれとなんら変わりなかったがもはや夢主の頭は回らない。