【金カ夢】夢の中で……。【Golden Kamuy】
第7章 ※谷垣さん(にセクハラする回)
巨鳥事件の後、オオワシの羽根を数枚アシㇼパ から譲ってもらった白石が、オオワシの羽羽根を換金し、そのお金をお酒に替え酔っ払った状態で帰ってきていた。
かと思えば、怪我で動けない谷垣に乗り上げて寝たりするので、白石の評価がみんなの中で下がり、アシㇼパには「約立たずの白石」と呼ばれていた。
───ユメコは、ごく稀に酔っ払ったどさくさに紛れ、何度か谷垣の雄っぱいを枕にしている白石を見ていた。
『(谷垣さんの胸、柔らかいのかな。…確かに、今の時代の枕かたいよなぁ、いやダメだダメだ)』
これじゃあまるで変態のようではないか…とできるだけ谷垣を見ないよう、考えないようにしていたのだが、動けない谷垣の世話はお年寄りのフチや子供であるオソマ達だけにさせる訳にも行かず、かといって考えれば考えるだけ柔らかい枕に寝たい。と思うようになり───
ある日とうとう白石のことを羨ましいと思う気持ちに我慢ができず、恥を忍んで
『あの…谷垣さん、少しだけ枕になってもらってもいいですか。いいですよね!すみません、ありがとうございます!!』
と顔を真っ赤にしながらも、そんな顔を見られてたまるかと言わんばかりに谷垣へ──
「な、何を…!おい、やめないかッ…!?」
──と何やら谷垣は言っていたが、ユメコは断られる前に素早く言い切ると寝たきりの状態であまり動けない彼の胸板へと頭を乗せた。
『……はわ………!(胸板厚い!筋肉質で硬いけど、もう少し柔らかければ最高…!枕、久しぶり……)』
自分でも、なんてハレンチな女なのだ、こんなのセクハラで訴えられても仕方がないレベルだ。と思いながらも押しに弱そうな真面目な谷垣に断られる前に、我慢ができず布団の上から谷垣の胸に自らの顔を埋めたりしてしまっていた。
ユメコが女性だと知っている谷垣は、そんな奇行に焦りながらもぞもぞとどうにか逃れようとしている。
一方ユメコは久しぶりに気持ちのいい枕に出会えたことでうっとりとした顔をしていた。
『(白石さん、こんなに気持ちのいい枕のことをみんなに黙っていたなんて……)』
と考えていると不意に視線を感じた。顔を上げると子供たちに見られていた。