• テキストサイズ

【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第5章 「元整備士」×「ポルシェ356A」


耳障りな機械音を合図に、意識が浮上した。

わたし、しんでない。

くぐもった空気が口元を覆っている。
重たい、瞼を開く。まだぼんやりと薄暗い光景が見えるだけ。まだ意識が朦朧としてる。思えばピッピッ、と一定のリズムを刻む機械音………呼吸心拍監視(ハートモニター)の音でここがすでにここが病院で、寝ている間に手術も何もかも終わった後だと知る。

多分、まだ麻酔が切れてない。
まだ眠気と朦朧とする意識に逆らうことなくもう一度目を閉じる。次に目覚めたのはそれから三日後のことだった。

痛みで目が覚めた。麻酔の切れてなかった以前よりは今自分がどういう状況置かれているか処理は出来る。

「あなた、2日前まで集中治療室にいたのよ」

あの時のハートモニターは既になく、代わりに未だ腕から伸びる2パック点滴が一定の速度保っている。
いつからいるのか、隣には椅子に座っているあの時のルカと源氏名を変え同じく潜入捜査をしていたであろう流暢な日本語を話すFBI女と、その隣に立つ屈強な男。目が合うと男は小さく会釈をし口を開く。

「初めまして、私達はFBI捜査官、私はアンドレ・キャメルです」
「私はジョディ・スターリング。今は鎮痛剤と、栄養剤が打ってあるわ。残念だけど、1ヶ月は固形物は食べれないそうよ」

けど今は、私にとってそんなこと心底どうでも良かった。

「電話を貸して下さい…!」

考えもせず、咄嗟に生死をさ迷って最初の一言が、同じチームの仲間への、降谷くんへの心配だった。

「残念ながら、それはできないんです」
「どうして……!」

隣にいる屈強な男がそう言った。

「あなたは今、私達の保護対象。外部の人からの接触は今は出来ない。血の繋がってない人間なら尚更ね」

護衛? その言葉に疑問を抱いたもののあの事件から、今までの行動を辿る。

じゃあ、彼らはーー知っている? 私が追われる理由も、狙われる理由も一一一一

「あなた達は…………どこまで、知っているの?」

その言葉に横にいた男が息を飲んだ。
/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp