【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第2章 「公安警察」×「整備士」
「………じゃあ。それは、命令、だね?」
これほど物分かりが早くて助かると思ったことはない。俺は宮下と同じく笑みを浮かべた。
「いいよ、入ってあげる。………ゼロ、一緒に命かけてあげるわ。この国にね」
宮下はそう言うと、フェンスを跨いでフェンスの付け根に手をかけるとそのままベランダから飛び降りた。
あの時の運動神経はまだ訛っていないようだ。
「ただし、整備士はやめない。もうひとつは、私がいなくなったら困る人たちがいるし、ね?」
あからさまに俺を見ながら言うと肘で脇腹をつついて来るので「ああ、そうだな」と言ってその肘を押し返すが目は合わせていない。きっと馬鹿にされているに違いないが言い返す言葉もない。
「仕事に支障はきたさないわ、本業は公安、副業で整備士。今後を配慮して紹介以外の新規の依頼は受け付けない。OK?」
「OK」
「じゃあ、ちゃんと、丁寧に、守ってよね?」
宮下はRX-7のボンネットをポンと叩いた。