第12章 指輪とそして
【青柳side】
皆さんこんにちは、
さんの部下の青柳拓真です。
今日はとあるアミューズメント施設に来ております。
その名も、“トロピカルマリンランド”
何故俺がこんな所に来ているのかと言いますと、
時は昨晩、
『明日10時にトロピカルマリンランドに集合。
緊急の重大任務のため時間厳守。
警察官だとバレないよう、私服で来ること』
突然、こんな内容のメールがさんから送られてきたのです。
しかし、さんは明日非番のはず。
それにもかかわらず任務に出るということは相当大きなヤマなのだろうと、気を引き締めてトロピカルマリンランドに来たのです。
が…
「ねぇ青柳、次何乗る?
え、まって!あのジェットコースター面白そうじゃない!?」
隣ではしゃぐ俺の上司。
これは一体、どういう状況なのでしょうか…?
「あのーさん?そろそろ任務の内容教えてくださいよ」
「あれ、言ってなかったっけ?
名付けて!“佐藤高木のデート覗き見大作戦”よ!!」
「…はい?」
「佐藤ったら、私に黙って高木くんとデートだなんて言うからさ、様子を見に来たって訳!」
「って訳!じゃないっすよ!!てか何で俺なんすか?!」
「だって、由美が予定あるって言うから…」
「俺だって今日仕事ありますよ!!片付けなきゃいけない報告書が溜まってるのに…」
「大丈夫!青柳の分の休暇届け出しておいたから!」
「そういう問題じゃ…、てか勝手にそういうことして!それってパワハラじゃないんですか?!」
この人、外じゃバリキャリ!みたいな顔してっけどこういうとこあるよな…。
俺じゃなかったら訴えられてるぞ。
「あんた最初に言ってたでしょ?
俺は、天国だろうが地獄だろうがどこまでもさんに着いて行きます!って」
「それは…まさかこんな人だとは思わずに……」
「こんな人とはなんだこんな人とは!仮にも命救ってもらったやつに言うことか!」
「そのことに関してまじで感謝してます。俺が警察官やれてんのもさんたちのお陰ですし。
でも、それとこれとは違います!」
「まま、そんなかっかなさんな!せっかく来たんだから楽しもーぜ!」
そう言ってルンルンでスキップするさん。
はあ、先が思いやられる。