第10章 私のせい
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「ー…さん、さんっ!」
「あ、ごめん」
「もう、ぼーっとしちゃって大丈夫ですか?」
「うん、ごめんなんだっけ?」
「来週の7日、美和子と一緒にカラオケに行くんで、さんもどうです?」
「あー、7日はちょっと…」
「夜9時なんで、用事が終わってから!なんなら遅れても全然大丈夫なんで!」
「…うん、じゃあ行こうかな」
やったー!!と赤くなった顔で喜ぶ由美。
きっと、この子なりに気を使ってくれたんだな。
来週は、11月7日だから。
墓参りのことも知っているからわざわざ遅い時間に設定してくれたんだろう。
生意気なこともあるけど、佐藤と同じくらいかわいい私の大切な後輩だ。
「ふふっ、今日は私が奢ってあげる」
「まじですか?!
すみませーん!生2つーー!!」
「え、あんたまだ飲むの?!」
「やだなぁ、もうひとつはさんの分ですって!
ささ、飲みましょ飲みましょ」
「全く、調子いいんだから」