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【名探偵コナン】sangría

第8章 はじめまして



爽やかすぎる青空が広がる今日。


私は今、部下である青柳が運転する車でとある殺人事件現場へと向かっていた。



「はぁ、」

「ため息多いっすね。幸せ逃げちゃいますよ」

「大丈夫。逃げるような幸せ持ち合わせてないから」


殺人現場へ行くのに憂鬱な気持ちにならない人がいるならば是非会ってみたいわ。



「はぁ、殺人事件とは3年前におさらばしたはずなんだけどな」

「もうすぐ着きますよ」


思わず零れた私の呟きは、拾われること無く消えていった。


近くのパーキングへ車を停め、現場へ徒歩で向かう。
あの人だかり、立ち入り禁止の黄色いテープ、かつては嫌という程見てきたこの光景。
不謹慎ながら懐かしいと感じる反面、あまり見たくなかった気もする。




「お疲れ様です。国対のです」

警察手帳を出してそう言うと、警備の警官も「お疲れ様です」と言って敬礼をしてくれる。
テープを潜って中に入ると、ピリッとした空気に身が引き締まる。
そう、これが現場の雰囲気。
見覚えのある人から初めて見るような人まで、全員が忙しなく動いている。
捜査一課は相変わらずのようだ。



被害者がいるであろう場所に来ると、かつての上司がそこにはいた。
そしてその横にはちょび髭でスーツ姿の男性が1人。


「ご無沙汰してます。目暮警部」

「おおーか!久しぶりだな!」


相変わらず、茶色い帽子がお似合いな警部。
私たちを現場に呼んだのも目暮警部だ。



「忙しいだろうに、わざわざすまんな」

「いえ、警部には沢山お世話になってますから」

「あの〜警部殿、こちらの方は…」

「ああ毛利くんは初めてだな!紹介しよう、組織犯罪対策部の警部だ」

「初めまして、組織犯罪対策部国際犯罪対策課のと言います」


毛利さんにぺこりと頭を下げ、挨拶をする。

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