• テキストサイズ

【名探偵コナン】sangría

第6章 私の大切な




桜が舞う季節から半年、
ついに、私たちは警察学校を卒業する___












「ちょっと、本当に頼むからね!」

「大丈夫!研二くんに任せなさいって!」


卒業式を明日に控えた今日。
私は萩に前髪を切ってもらっていた。


長くなってきた前髪をいつか切ろうと思っていたら、案の定時間が無かったり面倒臭くなったりと先延ばしにしてしまい、ついに卒業式間近になってしまったのだ。
流石に長くなった前髪で卒業式に出る訳にも行かないため、自分で切る用意をしていたところ「俺切ってあげよっか?姉ちゃんのよくやってたし」と言う萩の申し出をありがたく受けることにした。

手先が器用は器用でも、松田はなんか信用ならないし。
伊達はガサツだし、ヒロはなんだかんだでドジなとこあるから「…やっちゃった」てへっなんてやりかねない。
ゼロはめっちゃパッツンで切りそう。それは嫌。


「じゃ、切るね〜」

「う、うん」


信用の足る萩でも、やっぱり他人に前髪を切ってもらうのは少し不安があるな。
このジョキジョキ音が更にそれを加速させる。


やばい、切った髪が鼻に入ってムズムズする。
やばいやばいやばい
このままじゃ……






ハックシュン!!

「あっ」


今、ジョキッて音した。
てか「あっ」て言ったし


「あ、あの…研二くん?」

「だ、大丈夫大丈夫!!うん!モーマンタイ!!!」


絶対やばいやつじゃん


______



「だっはははははは!!!前髪やべーーー!!」

「い、いや、可愛いよ可愛い!!ね!班長!!」

「お、おう!!何か、スッキリしたな!!」

「班長違うっ!!」

「わ、悪い…」

「ゼ、ゼロはいいと思うよね!!」

「あ、ああ。サランラップのCMの子に似てて可愛いと思う」

「ゼロ、それもダメなやつ…」


見事にオン眉な私の前髪を見て、腹を抱えて笑い転げる松田と必死に慰めようとしてくれる3人。
その優しさが逆に抉ってくるんだよな。

萩は萩で「ごめんなぁ…」としょぼんとしてるし。
というより、私のくしゃみが原因なので萩は悪くない。うん。

でも、これで卒業式に出席か……
集合写真もこれだよな…



ま、髪なんてすぐ伸びるんだし、気にしたってしゃーないっしょ

/ 510ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp