第41章 真相を知るとき
元々私が着てきた服は綺麗に洗濯されてその上乾燥まで済んでおり、ありがたくそれに着替える。借りたスウェットはこちらで洗濯して返すと申し出るも、そんな気を遣わなくていいと呆気なく断られてしまった。その言葉に甘え、そのままお返しすることする。
「じゃあ、帰るね」
「……本当に送らなくていいのか?」
「うん。このまま登庁するつもりだから」
「せめて少しでも寝た方がいいんじゃないか?」
「私は大丈夫。お陰でもう元気」
どちらかと言うと、少しでも寝るべきはゼロの方だ。
昨日だってきっと激務だったはずなのに、私のせいで一睡もできていないのだから。どうか少しでも休んでもらいたい。
心配層に眉を下げるゼロに「大丈夫だって」と笑いかける。
「……来てくれてありがとう、本当に」
「当たり前だろ。いつだってすっ飛んで行く」
間髪入れずに答えるゼロに少し驚きながらも、ふふっと笑みがこぼれる。それを見たゼロも優しく微笑んだ。
「それじゃ、無理しないようにね」
「も」
「またね」
「あぁ、また」
そうして私はMAISON MOKUBAを後にした。
昨晩雨が降ったこと嘘のように、空は雲一つない快晴だ。清々しい朝の風が頬を撫でる。
息を深く吐いて、私は駅への道のりを踏みしめながら歩いた。