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【名探偵コナン】sangría

第36章 女の秘密



____『Hey Jodi, what made you an agent for the Bureau?』
(ねぇジョディ、あなた、何でビューローの捜査官になったの?)

『Hmm, that's... a big secret. 』
(うーん、それは……秘密よ秘密)


私の何気ない質問に、ジョディは人差し指を口元に当ててウインクをしながら答えた。


『Hmm, you have a secret too. 』
(ふーん、あなたにも秘密ってあるのね)

『Of course! 』
(当たり前じゃない!)


するとジョディは一度俯いて数秒何かを考えたかと思うと、再び顔を上げて徐に口を開く。


『……A secret makes a woman woman. 』

『…What? 』

『A woman dresses up a secret and becomes beautiful. 』
(女は秘密を着飾って美しくなるってことよ)


そう話すジョディの顔はなんだか少し寂しげで、いつもの無邪気な笑顔の裏に潜む何かを暗示しているようだった______



















先程トイレで彼女が私に言った言葉から、ふと1年前の出来事を思い出していた。
あの時、確かにジョディは同じ言葉を私に話した。任務に当たっている最中の何気ない世間話で見せたあのジョディの顔がとても印象的で、はっきりと覚えている。
これを偶然と呼ぶには些かできすぎているだろう。


誰が最初にあの言葉を言ったのかは分からない。でも、少なくともジョディは彼女について何か知っているはずだ。話を聞く価値は大いにある。

ーー…が、ジョディとは花見の日以降1度も会っていない。
あの日の帰り、私はジョディに意地の悪いことを言った。ジョディはコナンくんに言われて私の身の安全のために秘密にするという選択肢を取ったのに対し、私は単にジョディが困ればいいと思って根拠の無いまま秘密を作った。それもジョディが1番知りたいだろうと思うことを。
……醜い反抗心だ。

いつもそう、私は相手の善意を無下にしてばかり。沖矢さんにだってコナンくんにだってそうだった。自分本位で本当に嫌になる。
こんな私が、ジョディの秘密を再び聞き出す権利なんてあるのだろうか。
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