第3章 ちゃんと見て
「1週間授業を受けないで、この結果か」
「バケモンかよ」
中間試験から数日後、その順位が張り出された。
1位 降谷零
2位 伊達航
と続き、そして3位に私という結果であった。
正直、1週間のブランクがあろうと1位を取れる自信があったものの、やはりこの2人は侮れなかった。
流石といったところか。
でも悔しい…!
「本当、ゼロと伊達は隙がないね」
「2人とも実技でもトップだもんね。俺も頑張らなきゃな」
「いやいや景光くんよ、君の順位も1桁なのよ。俺ら泣いちゃうよ?」
「俺らって、俺も含まれてんのかよ」
「松田は載ってすらいないじゃん。私が教えたのにこの結果ってどういうことよ」
「俺は分解専門なんでな」
「ったく、これだから馬鹿は」
「無事試験も終わったことだし、ちょっくら美味いもんでも食いに行こーぜ」
「さっすが班長!太っ腹〜」
「食いに行くって、今日はまだ平日だぞ。行くなら週末の外出許可を取りに行かないと」
「硬っ苦しいな僕ちゃんは」
「降谷ちゃん、そういう男はモテないぞ〜」
「別にモテたいと思ったことはない」
「あれ、でもゼロ、小学生のとき「おいヒロ!!」
「え、なになに?!!聞きたい聞きたい!!」
「降谷ちゃんにも甘酸っぱい過去が…?!!」
「ゼロね、小学生の時に「だからやめろって!!!」
「わーゼロが怒ったー」
「にっげろー」
「ったく、待てお前らーー!!」