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【名探偵コナン】sangría

第29章 桜と追憶



その後、男性と別れみんなで拝殿へ向った。
子供たちが大きく鈴を鳴らしているのが聞こえる。

私とジョディ、哀ちゃんとコナンくんは参拝の列からは外れていた。
よーし、問い詰めタイムだ。



「で?コナンくんと2人で何話してたのよ?
それにあの男性とも」

「あぁ、それは……ちょっと言えないわ」

「全くもうっ、みんな私に秘密ばっかりなんだから!」


そう言ってぷいっと不貞腐れる。
最近、色んな人に色んなことを秘密にされて嫌気が指していた。


「Sorry. Cheer up, please. 」
(ごめんって!機嫌直してちょうだい?)

「No! 」
(嫌だ!)






ジョディとそんなやり取りをしていると、突然コナンくんの携帯が鳴った。


「博士か、どうした?
……何ィ!?殺人事件を目撃しただと!?」

「「えぇっ!?」」


どうやら、子供たちと一緒に阿笠さんも花見に来ていたようだ。
子供たちがおみくじを引いている間に、花見にいい場所を取りに行っていたらしい。



電話を片手に走り出すコナンくん。
ジョディと2人でその後を追いかける。

すると直ぐに人集りのできた場所を発見した。
「すみません!通して!」と言いながら人を掻き分けて、その中心へと入っていく。



「っ!?この人、さっき私がぶつかったおばさんじゃない!」


そこに倒れていたのは、先程ジョディにぶつかった女性の遺体であった。



「頭部から出血が見られる。どうやら撲殺のようね。
しかも、殺害されてからそんなに時間が経っていないみたい」

「…これは……黒兵衛か!」


コナンくんが思い付いたようにそう言った。


「えっ、黒兵衛って、捜査三課が長年追ってるっていうあの?」

「うん。
見てよ、遺体の横に黒く塗られた五円玉が三枚置いてあるよ」


見ると、確かに奇妙な五円玉が置いてある。
捜査三課の報告書通りだな。


「何?その黒兵衛って」

「スリのあだ名よ。掏った相手の懐に黒い五円玉を三枚忍ばせるから、そう呼ばれてるの。
噂だと語呂合わせで、五円玉の『5』マジックの『黒』3枚の『3』で『ゴクローサン』。
自分にスられるために稼いでくれてご苦労さんっていう意味みたいだけど」

「へぇ、何だか悪趣味なスリね」

「犯罪者なんてみんなそんなもんよ」
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