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【名探偵コナン】sangría

第28章 人魚



「それアウトじゃね?てか俺悪くなくね」

「んー、まぁ確かに」


あの格好で男子トイレにいたら、そりゃ間違えるわな。



「てか、約束と違うじゃねぇか!
予告日当日は邪魔しないんじゃなかったのかよ!」

「邪魔はしてないじゃない。
ただ面白そうだから見に行っただけで」

「それが邪魔だって言ってんだよ!
おかげで名探偵に正体バレちまったし」

「それは自分のせいでしょ?
そもそもコナンくんを欺こうと考えてる時点で間違ってるのよ。
あの子は騙せないわ」

「随分名探偵の肩持つんだな?
俺の友達じゃねぇの?」

「あら、これでも一応怪盗キッドのファンなのよ?
それよりも、君は異性への耐性をもっとつけた方がいいわね。
私とのボディチェックの時にああなっちゃ、誰だって気付くわ」

「あんな状況で普通にしてるとか無理だろ!!」

「月下の奇術師さんにも無理なことってあるのね」

「そ、それは……」

「もし良かったら、私が手伝ってあげよっか?異性へ触れる練習」

「バ、バッカかよ!!んな簡単にそういうこと言うんじゃねぇよ!!」

「あっはは!冗談よ!
まぁそんなかっかしないで、せっかくのお肉が台無しよ?」

「……誰のせいだと…」

「ほい、ミノにハチノスにギアラお待ち!ささ、どんどんお食べ。
食べ盛りの高校生なんだから」

「…全部胃とか、チョイスが独特なんだよな」


私が焼いて取り分けたお肉を、ぶすっとした顔で食べる快斗くん。
それでも、パクパク食べる姿は見ててかわいい。
この子からかいがいあるし、面白くて本当に飽きないな。


「ほら、今日はベルツリー急行のお礼なんだから、好きな物じゃんじゃん頼みなさい!お姉さんの奢りよ!」

「…じゃあ、上ロースと上カルビ。あと上タン」

「ぜ、全部上物かよ…」

「好きな物なんでも頼んでいいんだろ?」

「え、ええ…遠慮しなくていいわ!
これでも公務員なんだから!」

「よーし、じゃあデザートはこの特性濃厚チョコレートパフェ!」

「え!?これ1600円もするの…?たかがパフェ1つで……?」


もうちょっと価格帯が低めの店に連れて来ればよかった。
ま、美味しそうに食べてくれるんならいいか。




そうして、その日は無事に散財したのだった。
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