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【名探偵コナン】sangría

第22章 雨の日は



帰宅した私は、暗い部屋に1人で佇んでいた。
もちろん、携帯の電源は切って。


使いすぎた頭は完全に回らなくなっていて、今何時か、家に帰ってきてまず何ををすればいいか考えることすらままならなかった。

ベッドに寝っ転がりながらぼーっと天井を眺めていると、外から雨の音がポツポツと聞こえ始める。

あー、そういえば、今日の夜から朝にかけて雨が降るって今朝天気予報で言ってたな。
そんな事を考えながら、私は静かに目を閉じた。


















______


ピンポーン


突然のインターホンで私は目覚めた。


今、何時だ。
どれくらい寝てたんだ。

お風呂にも入らず、スーツ姿のまま寝ていた私はゆっくりと体を起こす。
窓の外を見るとまだ暗いので、深夜か早朝か。
とにかく、朝日は昇っていないことは確認出来た。

あー、頭痛い。



すると、もう一度ピンポーンと鳴った。

そうだ、私はこの音に起こされたんだ。
今何時か分からないが、こんな時間に誰だよ。
ったく。


重い体に鞭打ってベッドから降り、玄関へと向かう。
そして、大きな欠伸をしながらドアスコープを覗いた。



「……えっ、」


目に入ってきたのは驚きの人物。
その瞬間、私は勢いよくドアを開けた。




「……どうしたの…?」


そこには、雨に濡れてびしょびしょのゼロが立っていた。
服には、赤黒いシミが点々とついている。

俯いたままで私の質問に答えず、表情も読めないゼロ。
とりあえずその手を取って、私は部屋に招き入れた。





「…はい、タオル。
濡れたままだと風邪ひくよ」


そう言って脱衣所から持ってきたタオルを差し出すが、受け取ろうとしないゼロ。



「……もう、しょうがないな。
ほら、座って」


私はタオルを広げてゼロの頭をわしゃわしゃと拭いた。
大人しくされるがままのゼロ。
柔らかいブロンドヘアは、この暗い部屋でも一際目立っている。


そういえば私もスーツのままなんだった。
後で着替えなきゃ。
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