第21章 ポアロ
あの後数十分して応援が現着し、引き継ぎを終えて帰宅した。
後から聞いた話によると、あの時拳銃を所持していた女とコナンくんを誘拐した犯人は別人。
コナンくんを誘拐したのは、毛利探偵事務所で自殺した男に拘束されていたという女性、浦川芹奈さん。
浦川さんが兄と言った人物は実は彼女の恋人で、先日起こった銀行強盗での犯人グループの発砲により死亡したのだという。
その3人の犯人グループに復讐をしようと、浦川さんは決意したのだ。
遺品と言っていた鍵は彼女のものではなく、元々強盗犯らが盗んだ金を詰めたロッカーのものらしい。
しかし、そのロッカーの在処を知る人物が浦川さんによって殺された為、残りの2人は毛利探偵にロッカーの在処を突き止めて欲しいと依頼をしたのだ。
それを知った彼女は、そのことを利用し探偵事務所で残りの2人のうち1人を自殺に見せかけて殺害。
もう1人も殺めようと計画を始動したが、その際にコナンくんがついてきた為、仕方なく誘拐という形で協力してもらうことになった。
だが、復讐を終えたら浦川さん自身も自殺しようと考えていたことをコナンくんに見破られて犯行を阻止される
しかし、強盗犯グループのメンバーだとバレた最後の1人は、所持していた拳銃を使ってコナンくんを人質に取り隠蔽する為に浦川さんを脅して山奥へ向けて車を走らせたという。
その最中に私を含め駆けつけた人達によって車が止められ、強盗犯はあえなく御用となった。
そしてコナンくん達を無事に解放出来たと同時に、浦川さんは殺人の容疑で逮捕されたのだった。
これが、昨日起きたことの全貌。
高木くんから聞いた事件がこれ程まで大きくなっていたとは思わなかった。
そして改めて、コナンくんの凄さを実感したというかなんというか。
本当に小学一年生か?と疑わざるを得ないな。
まあ何にしても、毛利さんや蘭さん、コナンくんを利用した上に怖い思いまでさせたことは絶対に許せない。
そして、どんな理由があっても人の命を奪ってはいけないんだ。
たとえそれが大切な人を殺した憎き強盗犯であろうと。