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【名探偵コナン】sangría

第20章 夜想曲(ノクターン)




ん?何か忘れてる気がする……
そう思った瞬間、携帯が鳴った。



「もしも……
『さん!!!』



電話の相手は由美。
携帯越しにすごい勢いで叫んできた。

やっばい、完全に忘れてたわ。カラオケのこと。



「ごめん由美、ちょっと色々あって…」

『逃げちゃやですって言ったじゃないですか!!!
何で何の連絡も無しにいなくなるんですか!!!』

「ごめんーー!!」

『はぁ、美和子から聞きました。
コナンくんが誘拐されてたんですよね?
で、その逃走車用の検問と捜査一課や機動隊への諸々の手配をさん1人で要請したって。
この際カラオケのことはどうでもいいです。コナンくんの方が大事ですし。
でも、本当無茶しないで下さいよ!美和子も私も超心配したんですからね!』


「はい、ごめんなさい」



由美に叱られてしまった。
全く、返す言葉もございません。


『…今度、カラオケプラス飲み代奢ってくれるんだったら許します』



そう言う由美に少し笑ってしまった。



「もちろん奢ります!
今度こそ行こうね。カラオケ」

『次ブッチしたら許しません』

「はぁい」


そうして電話を切った。

由美のおかげで、私の中に渦巻いていた色んな感情が落ち着いた気がする。

今日は、この現場を引き継いで、家に帰ってゆっくり寝よう。






そうして私は、冷たい風から凌ぐように沖矢さんに肩に掛けられたコートを握りしめた。
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