第2章 唸れ体育祭
「…勝った……」
その瞬間、私たちはゴールテープを切ったばかりのゼロのもとへと走った
「よっしゃーー!!」
「よし!!勝ったー!!」
「よくやった!!お前らー!!」
「勝ったよ!!ゼロ!!」
「ああ!勝った!!」
「勝てた…!勝てたよ……!!私たち!!」
体育祭で、スポーツで、ここまで全力でやり切ったことがあっただろうか
こんなに嬉しいことがあっただろうか
「あれ、お前泣いてんの?」
「…泣いてない」
無事に走りきれて安心したのか、嬉しさと感動で目から水が溢れてきた
「ナイスランだったよ〜!ちゃん」
「中々な走りだったな!」
「特訓の成果だね!」
「よく頑張ったな」
そう言って、みんなが私の頭を順に撫でていく
「みんなのおかげ
ありがとう」
溢れる涙を拭いながら、そう呟いた。
かけがえのない仲間が出来た気がして、素直に嬉しかった
「がデレた」
「もうっ!!松田うっさい!!」
こうして、私たちの体育祭は
華々しい勝利を飾って幕を閉じた