第18章 危険なエリア
プルルプルル
車を運転中の沖矢に、インカムから電話が掛かってきた。
「はい」
『あ、昴さん?今電話大丈夫?』
「ボウヤか、問題ない」
『ジョディ先生達には言っといたよ。さん、急用を思い出して先帰ったって」
「ありがとう」
『ねぇ、昴さんがさっき言ってた探してた知人って…』
「ああ、右の頬に火傷の跡があるという男さ。
やはり、俺の死に疑問を持った奴らが動いているようだな」
『うん。
でも、ジン達がその男を狙っていたってことは、赤井さんの死を探ってるのは全員じゃないってことだ』
「独断で動いた奴がいたというわけだな。
俺に変装してジョディやキャメル辺りを探っていたんだろう」
『多分ね。でも、とりあえずは上手くいったみたいだよ』
「敵を騙すならまず味方から、とはよく言ったものだ」
『それで、さんは大丈夫だった?』
「ああ、彼女も色々不思議に思っていたようだが心配はいらないさ。あれだけの情報で奴らの元に辿り着くことは難しいからな。
…やはり、彼女を奴らと関わらせる訳にはいかない」
『…あの見た目な上に、FBIとも繋がりがあるからね。
もしさんが組織の奴らに姿を晒したら、灰原を炙り出すための人質にされるかもしれないし、最悪消されかねない』
「俺には彼女を守る義務がある。彼女を危険に晒しはしないさ」
『でも、気をつけてね?何度も言うけど、あの人結構鋭いから。
もし赤井さんだってバレたら、今までのがパーだよ!』
「肝に命じておくよ」
そうして電話は切られた。