第2章 唸れ体育祭
「体育祭だあ?」
入学から1ヶ月程が経ち、昼食時のこの席順もお馴染みとなってきた今日この頃、
警察学校で初めての行事が間近に迫っていた。
「そうだ!ゴールデンウィークが開けてから1週間後の5月18日にな。その予行練習が今日から少しずつ始まるらしいぞ」
「体育祭なんて高校ぶりだなー!
そういえば、ゼロは毎年リレーの選手だったよね!」
「そんなことを言ったらヒロもだろう。毎年面倒くさい役回りを押し付けられて大変だった」
「足の速さでしたら、うちの陣平ちゃんも負けてないぜ〜」
「おうよ!風の松田たぁ俺のことだぜ」
「確かに、松田は北風小僧って感じだわ」
「おい、何か言ったか?」
「いや別に」
教場対抗で行われるこの体育祭は、毎年相当な盛り上がりを見せるらしい。なんでも、優勝したら教官からご褒美が貰えるとか貰えないとか…
ムカデ競走や騎馬戦などの様々な競技がある中、そのほとんどは男子が中心となって行われる。もちろん女子のみ出場のものもあるが、ただでさえ人数が少ないので他と比べて規模は小さくなる。
きっと私は、ほぼ観戦の形となるだろう。みんなが出場する競技の時は応援でもしてやるか
「なんでも、1番盛り上がるのがトリの教場対抗リレーらしいじゃん?俺出ちゃおっかな〜。女の子に注目されそうだし」
「んな不純な理由で出るやつがあるかよ」
「たしか、6人1組で出場らしくてな。今朝教官が出るやつを募ってたよ」
「お!じゃあ俺たちでちょうどいいじゃん!6人だし、みんな足速そうだし」
トリのリレーともなればそれは盛り上がるだろうな
ん?6人?