第1章 憧れが好きへ
学校の最寄駅で時々見かける、やけに目立つイケメン。
彼への印象はそんな感じだった。
ふわふわとした透き通るような白髪の髪に
スラっと長い脚はそのスタイルの良さを際立たせ、
驚くほど整った顔立ちは、制服にサングラスという異様な組み合わせでも全くとして違和感がない。
見たこともない学ランを着たこの男の子は…
いつだって周りの視線を嫌というほど集めていた。
それはそうだ。それだけイケメンなら誰だって見てしまう。なんというか…オーラがもう…普通じゃない。
初めて見た時は、もしかして芸能人?なんて思ってたけど、どうやらそれは違うらしい。
これだけ目立つ彼だ。もちろんこの駅を利用している自分の学校の女の子達の間で彼はめちゃくちゃ有名人で、隠し撮りの写真まで出回っているほどだった。
まぁ私はタイプではないけど。
だって何かチャラそうだし?
怖そうだし?
オラオラしてそうだし?
でもまぁそもそも私には関係のない事だ、こんなイケイケな人と関わる事もなければ、彼の視界に映り込む事すらないだろう。