第19章 少女と刀
この本丸へ来て、間もない少女。
その年にして、18の歳(トシ)。
腕には、包帯が巻かれている。
「此処が、今日から住む場所になります。」
名前を━━━━━━━━━━。
「...。」
怯えながらも、でも、何処かホッとしている様に見える顔。
だが表情筋は、此処に来て一度も動いてはいない。
「此処からは、こんのすけが案内します。」
「...。」
「よろしくお願いします!こんのすけです。貴方のサポートをさせていただきます!」
冷たく下ろされた視線に、こんのすけも冷や汗を流す。
「...。」
本丸の中に入るも、会話は一つもない。
どこか虚ろな彼女。
「..こ、此処では、鍛刀を━━━━━━。」
本当に話を聞いているのかと、心配になるほどの無反応さに、内心怯えていた。
「此処に手を翳してください..!」
言われた通りに、手を翳してくれる彼女に、安堵をする。