第12章 三日月宗近 ※
三日月side
情事後、主はそのまま意識を失い、眠りについた。
主の体には、俺が付けた"シルシ"以外の傷がついていた。
それは、古くもあれば、数ヶ月前についたであろうもの、様々だった。
特に、腕に多かった。
お主は、その小さな身体で何を抱えている?
そんなこと問うても、絶対に答えない。
だから、俺たちがなるべく、軽減させてやらねばならない。
着崩れた寝巻きを直してやり、
額に口付けを落とした。
山姥切side
朝いつものように、起こしに行く。
いつもなら、とっくのとうに目覚ましが鳴ってすぐ止めるのだが、いつまで経っても起きない。
仕方なく、部屋に入る。
目に入るのは、気持ち良さそうに眠る主。
こちらまで、顔が綻ぶ。
ふと見た首筋に、誰のか分からない紅いシルシがついていた。
「っ...。」
今まで気づかなかったが、
俺以外のヤツのシルシがついている事がこんなにも辛いとは思わなかった。