第84章 ☆ 冥母 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
【「つっ!」】
「「「アヤ?!」」」
画面を変えていたから
アヤのでんでん虫から苦しそうな声が聞こえ
すぐに画面をアヤの画面に戻せば
左の首筋を斬られ
右手で抑えて息を上げていた
シャチ)「おい、あの斬られた位置やばくないか?!」
ペンギン)「…後数cmズレてたら…」
イッカク)「で、でも、このままだと血が…」
画面に映るアヤは折れた刀を足元に落とし
右手で傷を押え少し俯いていたから目が見えなかった
足元がふらついていて、立っているのがやっとって感じだ
でんでん虫からは歯を食いしばって少し荒い息が聞こえた
アヤの後ろでは
忍者の女が笑いながらアヤに体を向けていた
【ムエ)「へぇ。よく避けたじゃない。確実に首を跳ねたって思ったけど…今チャクラをほとんどあの醜女に使ってるんでしょ?大変ね…まぁ、その割りには…」】
この女の声は虫唾が走る
そう思っていれば
でんでん虫から小さな笑い…鼻で笑うような声が聞こえた
アヤは斬られた方の肩越しに顔だけをあの女に向けた
【「…醜女?それ自分の事?」】
苦しいだろうに挑発しているアヤ
思わず眉を寄せた
画面で見えたアヤの目は
さっきより赤黒く…濁っていた
いや、赤黒く…と言うよりは…
赤紫に濁っているように見えた