第2章 ★ 初めまして * 夢主視点 ★ ① ★
お兄さんは私の言葉を無視して右手を出した
?)「ROOM」
「ん?」
?)「メス」
「ふぇ?!」
お兄さんが私に右手を突き出してきた時
何が薄い膜のようなものに包まれた気がした
包まれたって言うか…通り過ぎて行ったような…
そんな事を思いながらお兄さんを眺めていれば
引き抜く様に…右手を戻せば
お兄さんの手には…心臓があった
え?心臓?
お兄さんが持ってる心臓…ドクドク動いてるんだけど
そう言えばさっきこのお兄さん『心臓を頂く』って言った
え、じゃ…その心臓は…
「え?!」
慌てて自分の体を確認したら心臓があったと思われる所に穴が空いていた
…穴?
「え?!なになに?!それ私の心臓?!え?!穴空いてるんだけど!!私なんで生きてるの?!」
?)「喚くな。うるせぇぞ」
「いや喚くだろ!普通!何これ!どうなってんの?!」
?)「…俺の能力だ」
「…ノ、ノウ、リョク?」
?)「これでお前の命は俺の物だ」
「…」
?)「これが俺の手元にある限りお前はいつでも殺せる。裏切りは許さない」
「…はぁ」
やべー
頭が追いつかない
目の前の出来事に目を疑ってしまう
理解が出来ない
ノウリョクって何?
忍術みたいな物?
なんでわざわざ《ノウリョク》って言葉を使うの?
忍術じゃないの?
いや、こんな忍術見た事ないんだけど…
聞き慣れない言葉達…
ここって私がいた世界⋯だよね?
え、まさか違う世界?
もし違う世界ならとんでもない世界だ
私の…今までの常識が覆されていく
常識事通用しない⋯みたいな
疑いたくなるけど
お兄さんの服とか…見慣れない物が多すぎる
え、本当に違う世界?
夢じゃない?
…背中の痛み的に夢はないんだけど…
開いた口が塞がらない
今自分が凄く引きつった顔してる気がする
…寝てる間に何が…
カカシ…私はとんでもない所に来たらしいよ
ジジィ…私帰れるかな?
ってかこのお兄さんやべーな
人の心臓を…まじか
ってかなんで人の心臓持ってて平気そうなんだよ
こわっ
2023.12.12