第81章 ★ 復活・出陣 ★ 夢主視点 ★ ① ★
目の前に迫る帯を避け
帯を貫かれている体の帯を切って
襲ってくる帯よりも早く体を受け止め
瞬身の術で少し離れた所に飛んだ
あの女から隠れるように
目の前の体には腹部に大きな風穴
片腕しか使えないから
女の子を地面に寝かせるように着地した
こんなタイミングで戻るなんて…
さっきまで後ろを守っていた般若も
いつも間にか消えてた
?)「…ご、ごめ"ん、なっ、…ゴホッ」
力を振り絞って私の服を握りしめる女の子
全然力が入ってないけど…
涙と口から血を流す女の子
一瞬…リンと重なった
違う
この子はリンじゃない
まだ生きてる
私は出来る限り優しい声を出して語りかけ
女の子のおでこに顔を寄せて抱き抱えた
「しー。何も言わなくていいよ。大丈夫。起きた時、全部終わってるから…私の体を守ってくれてありがとう。ゆっくり寝てな。これ以上、誰にも傷付けさせないから」
あの時は助けられなかったけど
今度は助ける
安心したのか
それとも力尽きたのか
私の服を握り締めていた手が落ちて
目を閉じる女の子
「…絶対…死なせないから…嚇母」
女の子を寝かせながら
嚇母の名を呼べばポンッと音と共に煙が出て来る
嚇母)“やぁ…やっと出て来れたよ”
嚇母に目も向けず私は立ち上がった
「…お前に仕事だ…私のはいくらでも使ってもいい。この子を死なせるな」
嚇母)“…いくらでもって…死ぬ気?”
「むしろ生きるつもりだよ。私は死なないしこの子も助ける。そう約束したからね」
嚇母)“ならせめて腕だけでも治しなよ。それと雲母だけでも…”
「雲母は駄目だ。冥母は…もうすぐベポが来る…その子に守ってもらって」
嚇母)“後で怒られても知らないからね”
「…」
私の反応に嚇母はため息を付いた