第80章 ☆ 報酬 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
アヤは自分の体から手を離し少し体を伸ばした
【「ふふっ…私、あの女がムカつくから嫌がらせする事にしたよ。あんたを生かす。文句は言わさないから。あ、ついでにこの体の使い方を教えてあげるよ…あんたが自分の耳に正直に生きてたら違う戦いもあっただろうね」】
なんで最後残念そうなんだよ
【?)「…耳?」】
【「聞こえてなかったの?あんたを呼ぶ声」】
【?)「…え?」】
【「こいつは…ずっとあんたを呼んでたんだよ…この『御怨般若』は」】
アヤが女の体の胸の真ん中らへんに手を当て
名を呼べば足元の影が伸び
男が浮かび上がって出てきた
男の後ろになジャンバールより大きい女
女は上半身だけ出して残りは影に入っていた
俺達は言葉を失っていた
状況についていけなかった
クロガネ屋も目を見開いて固まっていた
御怨般若
アヤはそう言った
【般若)〘出してくれてありがとう…やっと大切なこの子の力になれるよ〙】
般若と呼ばれた男は笑いながらお礼を言った
アヤは顔だけ般若に向けた
【「…礼はいらないから。あの女がムカついただけ。そうじゃなかったらあんたみたいなの呼びたくないよ。怖い」】
アヤが少し眉をひそめて言えば般若は小さく笑った