第77章 ★ 他人の記憶 ★ 夢主視点 ★ ① ★
「…離れられてない」
?)「え?」
「…あいつから…離れられてない…正直考えない日はない」
?)「…」
「…あいつは私の原点なの…そんな奴…忘れろって言う方が難しいでしょ」
?)「…」
「…私が思い出せる木の葉での記憶は、悲しい事が多かった…楽しい事もあったけど…それ以上に…悲しい事が多すぎて、思い出せる里の景色や人の顔が、全部悲しく見えるんだ…そんな所にあいつを残して私はここに来た…心配しない訳ないでしょ…」
?)「…」
「あんたも一緒でしょ?怪我してこの島に流れ着いて、あの女に助けて貰って…あの女が酷い事しなくて、優しくて…あんたはその優しさに甘えた…だから昔の自分を見てるみたいでイライラするんだ。私はカカシの為ならなんだってやったさ…あいつの、あの悲しい顔が…忘れられなかったからね…」
?)「…」
黙って聞いていた私の体に入る女
私は何を口走ってるのだろう
ここで言う事でもないのに
自分の顔に向かって話してるから
まるで…鏡に向かって話してるみたいだ
…口が…滑る…
そんな事を考えていたら…音がした
その音が…私を現実に戻した
そうだそうだ
今、そんな話をしてる場合じゃない
「…あ"ぁーやめやめ!これ以上話したくない!思い出したくなーい!やめやめー!」
?)「え?!そんな気になる所で?!」
「わーわー聞こえないぞー!」
?)「なんなの?!どうしたの?!」
「あ、そうだ。忘れてた」
?)「え、急に何?」
「あんたが大事にしてるあのお姉さんとローの関係だけど…」
私の言葉を遮るように
上から爆発音
そして…岩場が崩れて来た