第72章 ★ 前夜祭 ★ ロー視点 ★ ② ★
ロー)「…生きる事を…」
嚇母)“ん?”
猫は俺に顔を向けた
ロー)「生きる事を…望んだのは…俺に生きる事を望ませたのはアヤだ」
嚇母)“…”
ロー)「…俺もアヤも…似たようなもんだ。アヤが俺に生きる事を望ませた」
嚇母)“…”
ロー)「俺は刺し違えても倒したい奴がいる。許せない奴がいる。成し遂げたい事がある。その為なら死んでもいいと思っていた。その為に力もつけ今まで生きて来た。成し遂げた後の事なんか考えもしなかった…生きて帰るつもりがなかったからな…だが今は、生きてここに…アヤの元に…あいつらの元に…この船に戻る事を望む」
嚇母)“…ふふっ。君達は…”
猫は小さく笑って俺の前にゆっくりと飛んできた
嚇母)“君達が2人一緒なら大丈夫そうだね。これからもアヤをよろしくね”
そう言ってアヤの元へ飛んで行った猫
ロー)「…そんな事、言われるまでもねぇ…」
俺の呟きは誰にも届かず風に消えた