第68章 ☆ 酒場 ☆ ロー視点 ☆ ① ☆
それから雲母と名乗る猫はベポ達と遊んでいて
冥母と名乗った猫(よく見たら虎っぽい猫?)は俺の膝の上で丸くなって大人しく寝ていた
俺は猫の背を撫でていた
手触りが良過ぎるこいつが悪い
ある程度時間が経って準備が終わったのかアヤが「終わったよー」と近寄ってきて外を見たら日が暮れていたので飯を食べる事になった
猫達を連れて
ベポ達と遊んでいた猫はジャンバールの頭の上でキョロキョロと頭を振って目を輝かせて周りを見ていた
まるでシャボンディ諸島でのアヤみたいだった
まぁベポ達も初めての島でテンションは上がっていたが
俺が撫でていた猫は初めは俺の帽子の上にいたが周りに興味無いのか今はフードの中に入って大人しくしていた
「ふふっ。皆と仲良くなって良かった」
アヤの呟く様な声が聞こえ隣にいた俺は視線をアヤに向けた
ロー)「こいつらが仲良くならないと思ってたのか?」
「それもそうだね。でもローって動物が好きなんだね。私も好きだけど…さっきのロー可愛かったよ」
ロー)「…」
見られていたのか…
アヤの言葉を聞いて俺は帽子を深く被り視線を外して少し早く歩いた
後ろから聞こえたアヤの小さな笑い声
そして走って来る音が聞こえ俺の手を取り下から覗くように俺に顔を向けてきた
「…雲母は問題ないと思ってたんだけど…冥母はね、ちょっと特殊な子で…色々あって人が苦手と言うか…あまり人に懐けなくて」
ロー)「…」
「だからローに懐いてくれて嬉しいんだ…その子、カカシも駄目だったから」
俺から視線を外し少し寂しそうに言われ
アヤが握っていた手を離して帽子の上から頭を撫でた
帽子がズレて直しながら俺に目を向けてきたが俺は何も言わなくてアヤも何も言わなかった
少し前を歩いていたベポ達が『ここで飯にしましょ!』と言って指を指してる方に顔を向ければそこは…
散々アヤに『駄目だ』と言った酒場だった