第68章 ☆ 酒場 ☆ ロー視点 ☆ ① ☆
島が見えた
色々あったが島が見えた
朝飯を食べ終わり各々が好きに過ごしていた
俺はある程度の指示を出し『甲板に行く』と言っていたアヤを迎えに甲板に向かった
甲板のドアを開ければ
こちらに背を向け俺のあげた帽子を被り
長い髪を風に靡かせて
甲板の手すりに座ってるアヤがいた
俺が近付けば小さめのアヤの体を覆うように影ができアヤが顔を上げた
「…指示は終わったの?」
ロー)「あぁ。お前はクロガネ屋と祭りのエントリーに行くんだろ?」
「うん!ローは?」
ロー)「適当にぶらついてる。ベポ達を連れてな」
「なら終わったらでんでん虫で知らせるね!…楽しみだなぁ」
俺から視線を外し目の前の島を眺めながらアヤが呟いた
俺は何故か面白くなくてアヤの頭の上の帽子を取った
アヤは落ちたと思ったのか焦っていたが
俺はアヤの頬に手を当てこちらに顔を向かせ少し屈んで…おでこにキスをした
顔を離してアヤの顔を見れば
驚いて固まっていて目を丸くしていたがゆっくり目を動かしてた
「え?」
アヤと目が合って俺はアヤの頬から手を離し頭に乗っていた帽子を被せた
俺から視線を外すように被せればアヤは小さく声を出した
頭に乗った帽子を抑えながら俺に顔を向けてきた
「え?ロー?」
ロー)「…」
「…かまって欲しいの?」