第9章 ☆ 初戦闘 * ロー視点 ☆ ② ☆
俺はROOMを展開して女を診察した
女が毒と言っていたので
手早く毒を取り除こうとした
そのタイミングで医務室のドアのノックが聞こえ
ドアが開いた
ドアを開けたのはペンギンだった
ペンギン)「キャプテン。食料乗せ終わりました。特に使えそうな情報も無かったので食料だけ貰って、後はいつも通りに」
ロー)「あぁ。分かった」
バラしていた俺には疑問を感じたんだろう
ペンギンは首を傾げた
ペンギン)「どうしてバラして⋯というかその子気絶してるんですか?」
ロー)「…毒にやられてたらしい」
ペンギン)「え?!毒?!」
ロー)「あぁ」
ペンギン)「え、あの針に毒が塗ってあったんですか?」
ロー)「…あぁ」
ペンギン)「あ、それでバラしてるんですか?」
ロー)「⋯」
なかなか帰ろうとしないペンギンに
俺は作業を止めて目を向けた
ロー)「⋯なんだ?まだなにか用があるのか?」
ペンギン)「え?あー。いや、食堂に行ってまーす」
ペンギンはそう言って出て行き
作業を再開した
毒も取り除けバラした体も戻して
女に点滴とか用意して
俺はベポが座っていた椅子に腰掛け息を吐いた
女は静かに息をしていた
さっきより顔色もいい
この女…使える事は分かったが…
こいつが裏切らないと言う保証はない
心臓を取っても驚いてはいたが…
こいつは平然としていたように見えた
雇って欲しいと言っていたが…
金を払えば誰にでも付くのか
金なのか?
そう言えばどこかに『帰りたい』と言っていたな
なら船に乗る事が目的なのか?
お前は⋯
ロー)「…お前は何者なんだ」
何度目かの問いに答えはない
俺は立ち上がり食堂に向かった
あいつらに今後の事も話さないといけないからな
2023.12.19