第66章 ☆ 夢 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
アヤが目を覚ましたのは次の日の夜だった
倒れた時の事を覚えてないのか『倒れた』と言えば驚いていた
『どこまで覚えてる?』と聞けば体を起こしながら思い出そうと頭に手を当てていた
「えっと…甲板で話して…ローに抱かれて…寝て起きて…食堂に向かって…向かって?…それで?」
ロー)「…その後…食堂に着いてペボ達に挨拶したら倒れたんだ」
俺の言葉に驚いて顔を上げれば少しふらついて少し慌てて支えた
「…あ、あれ?…私…」
ロー)「…恐らく疲労だろう…今までは何もなかったのか?」
「…よく覚えてない」
ロー)「…急に倒れたからペボ達もかなり慌てていた…なんで先に1人で向かった。いや、それ以前になんで体調がおかしいのに黙ってた」
気付かなかった俺も俺だが
黙ってたアヤにも腹が立つ
俺がアヤの頭を鷲掴みにすれば
アヤは少し引き攣った顔をして俺を見ていた
「…怒ってる?」
ロー)「怒ってないように見えるのか?」
「怒ってるように見える」
ロー)「なら怒ってる。さっさと質問に答えろ。なんで黙ってた?」
「い、いや。黙ってたんじゃなくて、気付かなかったと言うか…」
アヤの答えに更に眉間に皺が寄る
そんな時、医務室にノックの音が響いた