第59章 ★ 悪夢 ★ 夢主視点 ★ ① ★
ロー)「…アヤ?…」
「…っ…」
急に聞こえたローの声に私は驚いて、いつの間にか目を閉じていたのか気付いたら目に涙が溜まっていた
私の体が、震えている事に…気付かなかった
ローの寝ぼけてる声で名を呼ばれ腕に力を込められた
「…ろ、ぉ…」
震えた声で小さく名を呼べばローはゆっくりとした動きで少し体を起こして私を上から見ていた
ローが体を動かしたから出来た背中の隙間
私は体を動かしてローに体を向けた
ローのお腹に回っていた腕が動いて私の頬に手を当てられ親指で目元を拭われた
ロー)「…どうした?大丈夫か?」
少し寝ぼけてる顔と、少し眠そうな声が私に届いた
ローの顔を見て声を聞いたら…少し安心した
「…なんでもないよ…変な夢を…見ただけ」
ロー)「…変な夢なら忘れろ」
「…ぅん…そうする」
私の返事を聞いてローは私の目元にキスを落として
また私を抱きかかえて眠りについた
ローは私が落ち着くように
ゆっくり私の背中を撫でてくれて
しばらくして手が止まった
ローに忘れろって言われたけど…
忘れたい…
思い出したくない
私はローの背に腕を回して体におでこを当てて
目を閉じた