第58章 ☆ 出港 ☆ ロー視点 ☆ ① ☆
遠くで何か聞こえた
腕の中にいた温もりが消えた
そして頭になにかが触れる感覚
ゆっくり目を開ければ声が聞こえる
「ロー?」
声の方に目を向ければ少し疲れの残ってる顔が見えた
ロー)「…」
「…まだ寝ぼけてる?…ロー、起きなー。ジジィも乗り込んだらしいよ?さっき起こしに来たペンギンが…」
俺は話を続けるアヤに手を伸ばした
アヤは不思議そうに見ていたが、俺の手を取って頬に持って行って擦り寄った
ロー)「…か」
寝起きだからか自分で出した声が小さかった
アヤは首を傾げた
「何?どうしたの?」
そう言ってアヤは俺の手から離れ俺の頭を持ち上げてアヤの足の上に乗せた