第54章 ★ 顔 ★ 夢主視点 ★ ① ★
*♡*
ローはリップ音を出すのが好きなのか
癖なのか
わざとなのか知らないけど
私の耳元や首元、口にキスする時よく聞く
わざとなんだろうけど、それさえ色っぽく聞こえるから
この人こわい
いや、実際色っぽいんだけど
何故かこの時
私の中にいつもと違う感情が芽生えた
今更だし、どうしようもないのに…
このリップ音を…他の人も聞いた事があるって考えたら
本当にモヤモヤする
なんだか、悔しい
違う意味で涙が出そうだ
無言で眉を寄せ
涙を溜める私を見て
ローは少し体を浮かして私から離れて首を傾げた
ロー)「おい。どうした?」
「…だ」
ロー)「は?」
小さすぎて聞き取れなかったとかローは少し眉間に皺が寄せた
「やだ」
私の否定の言葉にローは一瞬目を見開いたがすぐいつもの顔を戻った
ロー)「…何がだ?」
「…あなたが…」
ロー)「…」
「…ローがこうゆう事するの私の他にいたらやだ」
私がそう言えばローは怒ったような顔になった
そして低い声を出した
ロー)「お前…それ本気で言ってるのか?」
「…めんどくさい女だと思った?」
ロー)「…違う」
「何?」
ロー)「…俺がお前の他にこうゆう事をする奴がいると思ってんのか?」
言葉を間違えた?