第28章 ★ 過去 * 夢主視点 ★ ① ★
イッカク)「アヤ!」
「?!」
ベポ)「アヤ!起きたって!」
シャチ)「お前心配させるなよ!ヒヤヒヤしたぜ!」
ペンギン)「目覚めて良かったけど!」
急にドアが開いて驚いて顔を上げた
イッカクは私を見るなり抱き締めてくれて
ベポも私とイッカクの上から抱き締めてくれた
シャチとペンギンは近くに立っていた
「ご、ごめん、なさい」
涙がまた溢れそうになった
2人が離れてイッカクは私の肩の怪我を避ける様に
私の肩に手を置いた
イッカク)「もー!本当に心配したんだから!急にいなくなってヒューマンショップにいるって聞いた時発狂しそうだったんだから!離れないでって言ったじゃん!帰ってきたら大怪我して気絶してるし!2日も目覚めないなんて!本当に怖かったんだから!何で離れたの?!」
イッカクが早口で言ってきて戸惑ってしまった
「…えっと、ご、ごめんなさい。あ、あの時は、私もよく分からなかったんだけど…なんか懐かしい匂いがして…後を追いかけちゃった」
ベポ)「懐かしい匂い?」
「うん」
ペンギン)「なんだそれ?知り合いとか?」
シャチ)「え?アヤってこっちに知り合いとかいるのか?」
「いないよ。だから気になって」
ベポ)「その、匂いの人?は会えたの?」
「ううん。途中で見失って…戻ろうと思ったけど、自分がどこにいたかも分からなくなって、戻れなくなっちゃって…」
シャチ)「それでなんでヒューマンショップ?攫われたのか?」
「…おじさん達に声かけられて…いつの間にかあそこにいた」
ペンギン)「…お前なぁ…知らない人について行くなよ」
「…里では…別に声かけられても、なんもなかったと言うか…えっと、ごめんなさい」
私はシュンと肩を落とした
イッカク)「とにかく…本当に無事でよかった」
そう言ってイッカクはまた私を抱き締めた
それが暖かくて私は涙が溢れた
イッカクの肩を借りて私は泣いた
イッカクは私が落ち着くまで背中を摩ってくれた
そして私は寝てしまった