第26章 ★ 銃 ＊ 夢主視点 ★ ① ★

私は水槽の前で立ち止まりケイミーと目が合った






さっきの気持ち悪い男『人魚も買った』って言ってたよね？
まぁここにいてもいい事は無いだろう






ケイミーは不安そうに私を見ていた



私はケイミーに笑顔を見せた



…安心して欲しくて





口パクで『大丈夫』と伝えても恐らく分からないだろう


ケイミーは不思議そうに見てたけど
私はジェスチャーで頭を下げるように手首を動かした




大丈夫だよ…安心して
すぐにそこから出してあげるから…







ケイミーが下に移動したのを見て


私は水槽に触れた






これぐらいの水槽なら…って思って思いっきり回し蹴りをしてみたけど


ヒビが入っただけだった


それだと時間がかかる





…なら…






私はケイミーに背を向けステージからおりて距離を取った









狙うは上







調整しないと下にいるケイミーにも怪我させてしまう
女の子が傷付くのはやだよねー










なーんて呑気に考えてて







私は、まだこの島


いや…この世界の事が分かってなかったんだ






あんな風に騒いでた男が


大人しくしてるわけないって分かってたのに







私の頭は完全にケイミーの事しかなくて






この世界に来てから気を張ってなかったから




油断してたんだ










ついさっき

この世界の不思議な力を見たばかりなのに




チャクラを使う忍術以外の力があるの、分かってたのに




シャチ達と手合わせした時の剣とか
あっちの世界の武器とぜんぜん違うの…







分かってたのに…