第3章 ☆ 初めまして * ロー視点 ☆ ② ☆
甲板の扉を開けた
そこには雑に投げられた釣竿や道具が散らばっていて
その横にかなりの大怪我を負っている
髪の長い女が倒れていた
余程慌てていたのか
その女を見張る奴もいなかったし
女を拘束もしていない
思わず眉間に皺が寄る
怪我してるなんて言われてねぇ
ロー)「おい。怪我してるなんて聞いてねぇぞ」
ベポ)「キャプテン!この子助けて!!」
シャチ)「キャプテン!早く!」
俺の言葉を無視して2人は泣きながら俺の服を引っ張った
騒がしかったからか他のクルーも集まり出した
ロー)「服を引っ張るな⋯とりあえず医務室に運べ」
「「アイアイキャプテン!」」
服を引っ張られながら女の元に向かえば
一目見ただけでも分かる傷の深さ
これは一刻をあらそう
とりあえずここでは何も出来ない
ベポに女を運ぶように指示し
ベポが女を抱き上げた時、女の荷物が落ちた
ロー)「シャチ。その荷物も持ってこい」
シャチ)「アイアイキャプテン!」
ベポ)「キャプテン!早く!」
ロー)「…面倒なもん釣りやがって」
俺はため息を着いてベポが向かった医務室に向かった
俺は治療をしながら疑問に思った
左肩から右の腰にかけての深い斬り傷
他にも怪我はあるがアザやかすり傷程度の物
傷は出来てまだ数時間も経ってない新しい物だ
古傷もあるが…
こんな怪我でこの海をさまよっていたのか?
この辺に島はない
どこかの海賊か?
海兵⋯ではないだろうが…
ロー)「⋯⋯」
治療を終え俺は医務室の扉を開けた
廊下には女を釣った2人がいた
ベポ)「キャプテン!あの子大丈夫?!」
ロー)「あぁ。後はあの女次第だ」
シャチ)「大丈夫かな。あの子」
ロー)「…お前ら⋯あの女を釣った時、周りに船とかあったか?」
ベポ)「え、いや。何も見えなかったよ?」
シャチ)「どうしたんですか?」
ロー)「…ちょっとな」
俺は2人を連れて食堂に向かった