第15章 ☆ 手合わせ * ロー視点 ☆ ② ☆
「終わっちゃった」
倒れた奴らを見回して残念そうに呟いた
「何分ぐらい経った?」
俺は時計を確認した
ロー)「20分ぐらいだ」
「ゆっくり楽しみすぎた」
ロー)「だろうな」
やり足りないのかこっちに顔を向けてきた
「残りの時間ローやる?」
ロー)「…いいだろう」
俺が立ち上がってアヤに近寄れば嬉しそうに笑った
どれだけやりたかったんだよ
アヤは3人を壁側に移動させてイッカクを自由にし
俺に向き合った
「30分ぐらい残ってるからそれでいい?」
ロー)「あぁ」
「…忍術とか無しだからね!あなたも変な力使えるでしょ?それもなしね!」
アヤは念押しするように指さして言ってきた
俺の能力の事、覚えてたのか
見せたのは《シャンブルズ》と《メス》のはず
メスを見せたから他の臓器も取れると余計に警戒されてるのか?
ロー)「チッ」
舌打ちすればアヤは少し怒った顔して詰め寄った
「おいこら!それはなんの舌打ちだー!当たり前でしょー!そんなんありならこっちだって忍術使うわ!」
ロー)「本当か?」
「使わすな!船が無くなるわ!」
ロー)「チッ」
「どんだけ見たいんだよ」
少し呆れたように言われ「また今度ね」と言いながら準備運動していた
自由になったイッカクがシャチ達を起こしていた
今度はイッカクに時間を見ててもらう
「イッカクー。時間見ててくれなーい?」
イッカク)「え?!わ、分かった!」
イッカクに向けてた体をこっちに向けルールの確認をする
「時間は30分!私から帽子を取ってローが頭に被るまでね」
ロー)「あぁ」
「私から帽子を取っても被らなかったら駄目だからね」
ロー)「分かってる」
「場所もこの甲板のみ!ふふっ。楽しくなりそう」
ロー)「あぁ。それは同感だ」
俺達は互いにニヤリと笑う
イッカク)「で、でわ!カウント取ります! 10、9、8、…」
互いに姿勢を少し低くして
いつでも攻撃を仕掛けれる体勢をとった
俺は鬼哭を、アヤはクナイを両手に構えてる
イッカク)「…3、2、1、スタート!」
2023.12.23