第94章 ☆ タトゥー ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
アヤの寝息だけが聞こえていて
起こしてやろうかと思ったが…そのまま寝かしといた
しばらくして女が戻って来た
いのり)「これ…アヤに渡して…ここを出航する時」
ロー)「なんだそれは」
受け取り袋の中を覗けば
女が渡して来たのは…
受け持った物に向けていた視線を女に向けた
ロー)「なんで出航する時なんだ?」
いのり)「…気にしないで…よろしくね」
ロー)「…」
女は笑っていたが…何故か女の顔に疑問を感じた
女はアヤの右肩のタトゥーを入れる道具を用意して椅子に座った
いのり)「んじゃ続けるね…ずっとそこにいるの?」
ロー)「あぁ…見るのも楽しいからな…邪魔ならどこかに行くが…」
いのり)「…楽しい…ふふっ。そっか…邪魔じゃないよ。普段は誰もいないから…話し相手になってよ。暇なら」
ロー)「…あぁ」
女は笑って作業を再開した
1度だけ…女が渡して来た物に目を向けた
女が渡して来たのは
この世界の文字では無い文字が書かれた手紙の様な物
そして…綺麗な簪と手毬だった
いのり)「…ねぇ」
ロー)「あぁ?」
いのり)「…これって…タトゥー?」
ロー)「…それは初めてこいつとあった時からあったが…聞いた事なかったな…消して欲しいと言われたタトゥーは右肩しか聞いてない」
いのり)「ならそのままでいい?」
ロー)「あぁ。特に問題は無いと思うが…なにかあれば言ってくるだろう」
いのり)「分かった…にしても…これ何のマークだろう?」
ロー)「さぁな」
アヤの左首筋にある丸いタトゥー
何かのマークに見えるが…
これがなにか知るのはだいぶ先の話だった